新春特別対談「これからの大阪府と太子町の連携」

更新日:2020年12月29日

田中町長が、大阪府庁を訪問し、吉村知事と対談を行いました。

田中町長 対談の場を頂きありがとうございます。知事は、太子町と同じ南河内地域の、河内長野市のご出身ということですが、太子町の印象や思い出などお聞かせください。

吉村知事 太子町は河内長野市とも近く、思い出深く、友人もたくさんいます。みかん園にも行きましたし、聖徳太子や推古天皇といった歴史でよく習う人のお墓があること、また、河内長野市と同様に自然が豊かで、歴史や自然、また食といった魅力が豊富な印象です。

田中町長 ありがとうございます。地形を生かしたぶどうの生産も盛んで、シーズンには道の駅や直売所などはデラウェアやシャインマスカットなどの販売で賑わっています。また、太子町の名前の由来となっている聖徳太子の御廟があるほか、敏達、用明、推古、孝徳といった歴代天皇のお墓が梅の花の形に並んだ梅鉢御陵や、難波と大和飛鳥を結ぶ日本最古の官道であり日本遺産の「竹内街道」があり、様々な魅力があります。また、令和3年、2021年はちょうど、聖徳太子没後1400年の年にあたり、聖徳太子御廟のある叡福寺では4月~5月の一か月にわたり大法要や、雅楽や新作能、狂言といった奉納行事が行われます。町としてもこれを好機ととらえ太子町の魅力を発信すべく、地域住民や観光団体で構成する実行委員会により、聖徳太子関連の史跡などを巡る聖徳太子歴史ウォークや記念シンポジウムを予定しています。あわせて、「聖徳太子のまち」太子町を象徴し、次の100年をつなぐものとして、かつ、新型コロナウイルス感染症の沈静化を願い、聖徳太子モニュメントの制作を予定しています。この制作費用は、広く一般からの寄付を募るとともに、クラウドファンディングも行います。

吉村知事 府内には、令和元年7月に世界遺産に登録された「百舌鳥・古市古墳群」があり、古墳群の一つである応神天皇陵などは、太子町の隣の羽曳野市にあります。「百舌鳥・古市古墳群」や竹内街道、聖徳太子のゆかりの地といったこれらの魅力を互いに連携させることで、より多くの人に太子町の良さを知ってもらえるのでは。府も協力し、大阪全体で観光振興に取り組んでいきたいと思います。もちろん、新型コロナウイルス感染症への対応には万全を尽くしていきます。ウイズコロナ期においては、ウイルスとの共存を前提として、感染拡大防止と経済活動の維持という両面から、府民の命を守ってまいります。そのうえで、新型コロナウイルス感染症を乗り越えた先にある、新たな未来を切り拓くシンボルが、2025年の大阪・関西万博です。「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに開催し、国内外から多くの来場者を見込んでおり、この機会もとらえて、しっかりと大阪の良さや魅力をPRしていきます。

田中町長 ありがとうございます。新型コロナウイルス感染症への対応については、太子町はこれまで、感染拡大防止では富田林保健所などとしっかり連携しながら、支援策では国や府の取り組みと役割分担を意識して、住民生活のセーフティネットとなる取り組みを行っています。例えば、継続中のものとしては、国の特別定額給付金の基準日以降に生まれた子どもへの10万円の支給や、学費に困窮している大学生や専門学校生の学業継続を支援するため、3万円の給付を行っています。
私は昨年4月に町長に就任しましたが、この間感じたことは新型コロナウイルスへの対応にしろ、道路やインフラの整備など、町政を進める上では府の協力や連携が非常に重要なことです。私の公約の一つに、「活気あふれる子育てしやすい町」をめざすことがあります。まずこの令和3年1月からは、子育て世帯の負担軽減を図るため、子ども医療費の助成の対象年齢を15歳から18歳に引き上げました。また、子どもたちには、この激動の時代をしっかりと生き抜く「生きる力」を身につけてほしいと考えています。そのためにも、学力向上はもちろん、町全体で子どもたちの成長を支える取り組みを行っていきたいと考えています。太子町は、人口も面積も比較的コンパクトな町ですので、それを強みに、様々な取り組みにチャレンジしていきます。府には、いろいろとアドバイスを頂きたく、特に、町としては、まずは35人の少人数学級をめざしたい。そのためには、国や府の支援や協力が不可欠であり、よろしくお願いします。

吉村知事 子育て世帯の支援など、スピード感を持って取り組まれていることがわかりました。大都市ではない、太子町だからできる施策に取り組んで頂きたいと思います。府として、応援できることはしっかりと応援いたします。府と市町村が互いに知恵を出し合い、連携して取り組んでいきしょう。

田中町長 ありがとうございます。一方、太子町も人口減少や少子高齢化の影響は避けがたく、例えば、農業の分野でも農家の高齢化や後継者不足に直面しています。そのような中、府の南河内農と緑の総合事務所のご尽力で、ドローンやロボットなどの最先端技術を活用し、労働力不足の解消をめざす「スマート農業」の実証事業が太子町内でも始まっています。NPO法人太子町ぶどう塾や企業、研究機関などが連携し、ぶどうや温州みかんへの農薬散布や、除草、運搬へのドローンやロボットの導入実証事業が行われています。

吉村知事 府では、大阪のスマートシティ化を進めるための専門の部局、スマートシティ戦略部を設置しています。ICTをはじめとした先端技術を活用し、大阪における地域の社会課題の解決、住民の利便性の向上をめざしています。取り組むべきテーマは、市町村のICT化推進といった内容から防災や教育といった分野まで多岐にわたり、最先端の技術を活用することで、これまでできなかったことや難しかったことができるようになります。このスマートシティの実現には、民間企業や府内市町村との積極的な協業が鍵となります。府はコーディネート役として、様々な分野で先端技術を有する企業やソリューションの持続的な担い手となる民間事業者などとの連携や、課題を抱える地域とのマッチングを図り、それぞれの地域にあった、スマートシティ化を実現していきます。

田中町長 太子町としても、農業分野だけに限らず、先端技術を活用した住民サービスの向上や生活の質の向上につながるように、まずは実証実験の場の提供などに取り組んでいきたいと思っています。最後に、知事から太子町のみなさまへメッセージなど頂ければ。

吉村知事 令和3年度は、2025年大阪・関西万博を見据え、大阪が「強い自治体」として、新型コロナウイルス感染症から府民の命とくらしを守りつつ、「世界の中で躍動し、成長し続ける大阪」の実現に向けた取り組みを着実に進める年となります。コロナ禍で、東京一極集中のリスクが改めて顕在化している中、日本の成長をけん引する東西二極の一極として、世界に存在感を発揮する「副首都・大阪」の確立に向けて前進していきます。
また、新型コロナウイルス感染症については、太子町民のみなさまにも、より一層、感染防止対策の徹底をお願いします。

田中町長 本日はありがとうございました。ぜひ、ぶどうやみかんのおいしい時期に、太子町にもお越しください。よろしくお願いします。

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太子町政策総務部秘書政策課
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